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2010-08-04

パーネヴィーノ、ジャンフランコからのメッセージ その1

サルデーニャのお茶目なブドウ栽培農家ワイン醸造家パン屋アーティスト、ジャンフランコ・マンカのパーネヴィーノから新しいワインが届きました。

今回のワインには、

こんな感じでボトルのネックにカードが付いていまして、彼から(ワインから?)のメッセージが書かれています。

本当は日本語ヴァージョンもやろうかという話もあったのですが、コストの関係で今回は断念。ですが、彼の思いができるだけ多くの人に伝わるようにするためには、非常に大事なことだと思いますので、いつかは実現させたいです。


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パーネヴィーノ

自由な(感性の)人のための、自由なワイン

モード&神話フリー(ワイン界に”流行”があることやワインを神格化したりすることに対する、彼なりの皮肉)

親愛の情とともに

パン、ワイン、そして平和を!!


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僕たちは、“究極の自然さ”※をみなさんに感じてもらうために、毎日ものすごく頑張っています。

もし君たちが僕たちを支持してくれるのなら、僕たちのことを立てた状態にしてください。(横になってする事っていったら・・・ねえ?)

それから、絶対にアツイ場所に放っておかないでください。(アツイって言っても、気温のことだよ!)

僕たちは15℃くらいがちょうどよいんだけど、君たちはどうかな?

僕たちと、君たち、それから、この地球、みんな一緒に、気持ちよく暮らせたらいいよね。

※ブドウ畑では、硫黄と粘土で作った農薬や、ハーブの煎じ薬をまくだけ(それから鳥のさえずりも)で、肥料は一切与えません(ロバが我慢できずにウ○チしちゃうことはあるけどね)。収穫だって小さな箱に、すべて手作業です。セラーでも余計な手は加えず、ぶどう(と、わたしたちのお祈り)以外には、なんにも入ってません。

(訳者(サノヨーコ)注)
上記の、大変にまわりくどくて何を言いたいか良く分からない文章は、実は訳者自身も彼が何を言いたいのかよく理解できなかったため、仕方がなく本人に尋ねてみたところ、

「今回の2008年ヴィンテージのうち、とある樽からボトリングしたヴィーニェヴェッキエに関して、ボトリング後にマロラクティック発酵が起こってしまい、ワインが還元状態に陥っているものがあるので、飲む何週間(何日?)か前からボトルを垂直に保ち、出来ることならばデキャンティングして澱を除いてからグラスに注いで欲しい、という単純なアドバイスです。」

なる回答が戻ってきた。

それだけのことを言うために、このような詩的(?)な言葉遊びをしなければ気がすまない困った人物が、ジャンフランコ・マンカなのです。

Vini Naturali(ナチュラル ワイン)という言葉に対して、”そもそもワインとはブドウだけで造る、極めてナチュラルなものなわけで、ワインにナチュラルななどという形容詞を付ける事自体が間違っている”と言い放つジャンフランコが考え出した、ナチュラルワインでも、ビオワインでも、自然派ワインでも、有機ワインでもない言葉、それがVini Liberi(自由な、何の束縛もない、ブドウ以外の何物も使用しないワイン)。いい言葉だと思いませんか?

時々、“どのワインが個人的には一番好きですか?(優しい人ですと、扱っているワイン、きっと全てお好きなんでしょうが、敢えて言うなら・・・と付け加えたりしてくれます・・・)”というような、インポーター泣かせな質問をされる方がいます。

1つを選ぶことは本当にできません!

ですが、偉大な農民であり、偉大な醸造家で、哲学者で、なおかつ偉大なアーティストは?と聞かれれば、迷わず、ジャンフランコとマッサヴェッキアのファブリーツィオの名前を挙げるでしょう。

この二人はそれくらい僕にとって大切な存在なのです。

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