【新入荷】2016年2月その3

先日来日したデ バルトリ家の次男セバスティアーノと鎌倉の銭洗弁天に行ったのですが、「お金がもっと入ってくるように」ではなく、間違って「お金が(税金という名の下に)あまり出て行かないように」とお願いしてしまったオータです。
秋田から青森へと向かう鈍行列車(特急列車、乗り逃しました…)の中でこの文章を書き始めているのですが、じきに充電が切れるのでどこまで進められることやら…。これからヴァルテッリーナの造り手アールペーペと青森ー仙台ー福岡ー岡山ー大阪ー京都ー名古屋ー東京ーつくばという12日間で9都市(！)を巡る旅が始まります。ヴァルテッリーナという歴史あるワイン生産地域のことやアールペーペという攻め攻めなスタイルのワイナリーの事を、これを機会にもっと皆さんに知っていただければと考えております。
僕の不在中にもワインがどしどし入荷します！というわけで2月後半の新入荷ワインのご案内です！

まずはトリンケーロ！アユート ビアンコ2013は、他の国のインポーターに奪われる前にガッツリと押さえることができました。2012も素敵でしたが、2013も非常にバランスが良いワインです。新境地に達した感のあるパルメ シャルドネ2013とマルヴァジーアで造るソーニョ ディ バッコ2013の現地最終在庫も届いています。こちらの2商品は限定ワインとさせていただきます。昨秋訪問した際、本来ならバルベーラ ダスティ スーペリオーレ(白ラベル、現テッラ デル ノーチェ)になるはずだった2007年のワインが500本ほど余っているとエツィオ。原産地呼称委員会に生産量を報告する時に少なめに言ってしまったために、DOCGとして出すことができず、どうしたものか考えあぐねているとの事。そんな時こそ「アユート(助けて)！」でしょという事で、アユート ロッソと名付けることにしました。07というヴィンテージのテンションの高さもあり、内容からしたらありえない価格のワインだと思います。
そして今回の目玉ワインはロッソ デル ノーチェⅡです！前回のヴァージョン、97&98&99&01があまりにも気に入ってしまったエツィオ、今回は03を中心に04と06をブレンドしました。前ヴァージョンがブレンド後に長期間ステンレスタンクに置いておきすぎて、還元状態からなかなか抜け出せないワインとなってしまったので、今回は比較的早めにボトリングをしました。お味のほうたるや… 全ての要素が強いにもかかわらず絶妙なバランスで成立しています。濃いのに恐ろしい飲み心地のワインです。ヴィーニャ デル ノーチェの現行ヴィンテージよりも古いのにお値段はお安め、最高のワインかと！どれもがあまりにも普通に美味し過ぎて、ついついその存在のありがたさを忘れてしまうトリンケーロのワイン、年々ブドウの栽培面積を減らしていますので、まとまった本数が手に入るのはあと数年ってところではないでしょうか…。後悔なきようお願いします。あ、絶賛発売中の他ワインもよろしくお願いします！

人柄そのままに飾り気のない、でも豊かな内面性を備えたワインを醸すジャンニ カノーニカから最新ヴィンテージが入荷です。2013年から、ジャンニの奥さんの家族が所有するグリンツァーネ カヴールにある畑の一部を借りれることになりまして、ランゲ ネッビオーロと2つ目のバローロを生産することになりました。ジャンニが所有するパイアガッロのバローロよりも外向的な味わいのワインになりそうだという印象を受けました。で、今回入荷のワインですが、バルベーラ2013(最っ高です)、ランゲ ネッビオーロ2014、バローロ2011となっております。バローロ2011は2010よりもパワフルですが、決して野暮ったくなく危険なくらいスルスル進むワインです。

カメラが趣味なことまでは理解できるのですが、奥さんも子供もいない時にセラーで真っ裸になって自撮りする不思議な男、ステーファノ ベルティの赤ワイン4種類が入荷です！ハイコストパフォーマンス サンジョヴェーゼのバルティメオは2013、濃さと軽さが両立した彼のフラッグシップ的ワインのラヴァルドは2012、樽熟成を施したカリストは2010、そして前回入荷時も大変ご好評いただいた酸化防止剤完全無添加サンジョヴェーゼ、ノナは2014年が届いています。同じ品種で4種類ものワインを造っていますが、個性やコンセプトの違いが非常に明確となっています。状況に応じて使い分けていただければと思います！
2014年のシャルドネですが、ブドウの品質に納得がいかなかったため醸造をしなかったそうです。

文：太田　久人

135,141,142 nuovo16.02.23