<ヴィナイオッティマーナ2022 ~ピリオド6~>
【開催日時】
DAY1:2023年2月5日(日) 10:00~17:00
【会場】
だだ商店 だだ食堂(茨城県つくば市流星台56-3)
【タイムテーブル】
9:30 受付開始
10:00 開場
10:30- 造り手セミナー①<L’Acino>
造り手セミナー②<Case Corini>
造り手セミナー③<Luigi Tecce>
12:00-15:30 大食堂
16:10 フィナーレ
16:45 送迎バス発車
-参加造り手-
Borgatta(イタリア / ピエモンテ)
造り手:Emilio Oliveri / エミーリオ オリヴェーリ
ピエモンテ州アスティ地区の南東部に位置するオヴァーダで1948年に創業したワイナリー。1980年代に妻マリアルイーザが父から相続し、夫エミーリオと夫婦2人で営んでいます。夫婦ともに御年80歳越えではありますが、すべての農作業を2人の手作業だけで行っています。もともと薬剤に頼らない農業を実践してきましたが、隣人であり師匠のジュゼッペ ラットから畑&セラーでの仕事や哲学に関して影響を受け、より自然環境に敬意を払い、畑での耕起やボルドー液、二酸化硫黄などの使用も必要最低限に留めています。
土着品種であるバルベーラとドルチェットの2品種を栽培し、セメントないしステンレスタンクでの醗酵と熟成を行い、無濾過&無清澄でボトリング。2012年ヴィンテージ以降はDOCを名乗らずにワインをリリースしています。
Case Corini(イタリア / ピエモンテ)
造り手:Guido Corino / グイード コリーノ
ピエモンテ州コスティリオーレ ダスティ地区に1836年から居を構えるコリーノ家は、冬の長いピエモンテの伝統に則って、代々手工業と農業の兼業を行ってきました。地質学を専門とする農業博士だった6代目当主 故ロレンツォ コリーノは、ブドウ畑を「持続可能な農業」の実験の場ととらえ、ワイナリーとしてボトリングを開始しました。
畑の微生物叢(そう)の調和を維持するため、一切の農薬を使用せず(年数回ボルドー液の使用のみ)、無施肥、不耕起、無除草を実践することで、高樹齢の樹から圧倒的な凝縮感と熟度のブドウを収穫しています。セラーでも人為的関与はなるべく避け、長期間の醗酵&マセレーションを行ったフリーランでのワイン造り。そして、できる限り樽の移し替えを行わず、醸造からボトリングまでのどの過程においても酸化防止剤を使用していません。2021年11月、ロレンツォ博士が逝去してからは、息子 グイードが畑とセラーでの仕事を引き継いでいます。
L’Acino(イタリア / カラーブリア)
造り手:Dino Briglio Nigro / ディーノ ブリーリオ ニグロ
北カラーブリアのサンマルコ アルジェンターノという人口約7,000人の小さな村で、ブドウ栽培やワイン醸造に初めて関わる若者3人が2006年に始めたワイナリー。急峻な山岳地帯と海岸に囲まれるカラーブリアは平野部が少なく、農業をする上で非効率なためワイン造りは徐々に衰退していました。ナチュラルなワインの造り手たちの考えや生き方に感銘を受けた当主 ディーノは、彼らと同じように自然に敬意を払い、自分たちの土地を表現するワインが造れないかと考え、耕作放棄される畑を購入してワイナリーを始める決心をしました。
約9ヘクタールのブドウ畑を自分たちで植え替え、他にも古い樹齢のブドウが生き残っている畑を7ヘクタール借りており、標高300~800mのさまざまな場所に点在する形で合計16ヘクタールの広さがあります。生産量は年間約45,000本。畑ではボルドー液のみを使用し、セラーでも二酸化硫黄以外の添加は一切行わず、二酸化硫黄の使用量も年々減らす努力をしています。
Lasserra (Cantine Peverati) / ラッセッラ (カンティーネ ペヴェラーティ)(イタリア / ピエモンテ)
造り手:Leonardo Cavallini / レオナルド カヴァッリーニ
ピエモンテ州の銘醸地バローロから車で東に1時間ほど、人口2,900人の小さな街カッシーネ郊外で、1900年代初頭に農場を始めたペヴェラーティ家。現当主レオナルドの祖父ジョヴァンニが弁護士の傍ら小さな土地を少しずつ取得していき、約37ヘクタールという広大なブドウ畑となりましたが、ワイナリーとしてはほとんど稼働しておらず、ブドウは協同組合に売却していました。ブドウ畑とワイナリーを引き継いだ母イザベッラは、1999年にアグリツーリズモ『イル ブオンヴィチーノ』を始め、ピエモンテの伝統的な料理とともに供するワインを自ら生産すべく、2000年から少量ながら自家醸造と自家ボトリングを再開。
2016年にはレオナルド、アウグスト、アキッレ、タツィオの4人の息子たちにワイナリーの経営を譲り、カンティーネ ペヴェラーティとして新たなスタートを切りました(ラッセッラは農場名)。畑の大半にはモスカートが植えられており、ドルチェット、ブラケット、バルベーラ、シャルドネを無施肥、不耕起、無除草、ボルドー液以外の農薬を一切使わずに栽培を行っています。
Luigi Tecce / ルイージ テッチェ(イタリア / カンパーニア)
造り手:Luigi Tecce / ルイージ テッチェ
ナポリから東に90km、タウラージ村にほど近いパテルノーポリで、標高500mにある約1ヘクタールの畑を引き継いだ4代目当主ルイージ。初めは騎手としてのキャリアを歩んでいましたが、1997年に父親が亡くなったことをきっかけに家業を継ぎ、初めてブドウ栽培やワイン醸造に携わりました。1997~2002年までは造ったワインをボトリングせずにダミジャーナで知人に販売。2003年から本格的にボトリングを始め、現在は5ヘクタールの畑でブドウを栽培し、年間約23,000本のワインを生産しています。
イルピニアという寛大な土地にある畑ではボルドー液以外の薬剤を一切使用せず、草生栽培を行っています。結実してから完熟するまで時間が長い土着品種アリアーニコのみを育て、ブドウの完熟を見極めながらひと房ずつ収穫を行っています。栗製の開放醗酵槽で、野生酵母による長期間の醗酵とマセレーション、手作業によるピジャージュ、ニ酸化硫黄はボトリング時に若干量添加するのみ。セラーでは、培養酵母、除酸、清澄、濾過、タンニンの追加、化学薬品の使用は一切行っていません。
Nicolini / ニコリーニ(イタリア / フリウリ ヴェネツィア ジューリア)
造り手:Eugenio Nicolini / エウジェーニオ ニコリーニ
フリウリの東南部トリエステから南に15km、スロヴェニアとの国境を接するイストリア半島北部の港町ムッジャ。港から続く急な坂道を上がった高台の住宅街にある小さな家族経営のワイナリーで、当主ジョルジョと妻ロッサーナ、息子エウジェーニオの3人で年間約1万本をボトリングしています。ムッジャは、ハムやチーズをつまみながらワインを楽しむ、オスミツァと呼ばれる農家が営む居酒屋が近年まで地域の伝統として残っていた場所で、ニコリーニも古くから豚を飼ってハムを仕込み、自らのオスミツァで提供していました。1990年より自家ボトリングを始めたことから、今は営業を止めてすべてのワインをボトリングし販売しています。
貝殻などの海洋堆積物が豊富な肥沃な粘土質と砂岩が混じった土壌の畑は約2ヘクタールの広さで(家族のための菜園が0.5ヘクタール、ブドウが1.5ヘクタール)、化学的な農薬に頼らない形で栽培を行っています。この地域の気候や土地をより表現できるのは伝統的な土着品種であるという考えから、数本残っていた樹齢100年を超えるブドウ樹から株分けし、単一で醸造できるまでに少しずつ収穫量を増やしてきました。コンパクトなセラーで使用される二酸化硫黄は最低限のみで、伝統的かつシンプルな仕込みを心掛けています。
-参加飲食店-
PARCO FIERA (北海道)
料理人:Daisuke Nakajo / 中條 大輔
北海道札幌市JR稲穂駅のすぐ目の前にあるカウンター6席のサスティナブルな料理店。北イタリア ピエモンテ州で修業していたお店のノンナ(おばあちゃん)が名付け親という店名は、イタリア語で「公平な場所」を意味し、生産者やお客さん、作り手の彼らが公平でパワーバランスが一定であることを望んで付けられました。
「良いものを食べることで、人は豊かになる」をモットーに、旬の野菜や魚介などの食材を捨てずに使い切るだけでなく、塩とオリーヴオイル以外の調味料、生ハムやパンなどもすべてシェフ中條さんの自家製。2020年2月のリニューアル以降、世界各国の発酵を取り入れるなどイタリアンのジャンルにとらわれず、目の前の食材に目を向けて「美味しい」を追求しています。
Ristorante da’lupo322 (兵庫)
料理人:Yoshiyuki Mori / 森 良之
阪神西宮駅のほど近く、Lupo(イタリア語で狼)の隠れ家のような、カウンターとテーブル席あわせて10席の小さなイタリア料理店。2005年のオープン以降、四季折々の食材をふんだんに使い、手打ちのパスタでシェフとマダムがもてなしてくれます。ジビエは山うずらやキジバトなど鳥類に始まり、鹿や猪など、食材ごとの部位にあわせて炭火調理しているため、網を曲げて火との距離を絶妙に調整しています。夫婦の趣味は登山とキャンプで、日本中の名山に挑戦中!
おか田 (神奈川)
料理人:Kuniharu Okada / 岡田 邦晴
15歳の頃から寿司屋で修業を始めた料理人の岡田さんが、2018年横浜にオープンした日本料理店。隠れ家のような店の看板代わりにもなっている岡田家の家紋「五瓜三松」が迎えてくれ、店内中央には8席のみの一枚板のコの字型カウンターが構えます。数々の和食店で渡り歩き、イタリア&スイスの食文化に触れた岡田さんが、その日に仕入れる素材で料理を決め、目の前で調理してくれます。イタリア滞在時に出会ったナチュラルワインと日本料理の「出汁」の関係性の妙、岡田さんのアイデアをそのままに実現しています。
mondo (東京)
サービス:Masahiro Tamura / 田村 理宏
自由が丘駅から徒歩10分、入り口のガラス玉の看板と芝生の小径を抜けたイタリアン。シェフの宮木さんとソムリエの田村さんをメインに、深い信頼関係でつながる全国の生産者さんたちから毎日キッチンに届く素材を見極め、その日ごとにコースを組み立てていきます。店名の『mondo』とは世界や天地、万物を意味するイタリア語。サービスの田村さんは70~80’sブリティッシュロックをBGMに、釣りも嗜みます。