造り手紹介 Montesecondo / モンテセコンド
造り手:Montesecondo / モンテセコンド
人:Silvio Messana / シルヴィオ メッサーナ
産地(州):トスカーナ
ワイン:Tin Trebbiano, Montesecondo, Chianti Classico, Il Rospo, Tin Sangiovese, Ghazii, Bianco, Garnaccia, Rose
所在地:Via per Cerbaia 18 – 50020 San Casciano in Val di Pesa | FI – Italia<map>
Web:https://www.montesecondo.com/
フィレンツェの南東20km、キャンティ クラッシコ地区の北西、サン カッシャーノ イン ヴァル ディ ペーザのワイナリー、モンテセコンド。
北アフリカで幼少期を過ごしていた現当主シルヴィオ メッサーナは、1964年に父親がチェルバイアのブドウ園を購入したことをきっかけにイタリアに戻ります。思春期のシルヴィオはボストンの大学に進学、音楽に熱い情熱を傾けます。卒業後ニューヨークに移り住み、サウンドトラック(映画やドラマ、CMの挿入曲)の作曲などサックス奏者として活動しながら、ワインショップでワインの販売をして暮らしていました。そのうちに音楽の持つ自由さと創造性の高い部分が彼の中でワインとリンクし、故郷トスカーナのブドウ畑へと彼の人生を導いていきます。
1999年、イタリアに帰国しワイン生産者として生きていくことを決意。2000年にファーストヴィンテージをボトリング。自然環境に配慮しつつテロワールやこの地域独特の気候、畑で働く人の想いをワインにトレースするために、2001年からは有機栽培を実践、その後も徐々にビオディナミ農法へと切り換えていきます。
現在ブドウ畑は合わせて17ヘクタールの広さで、チェルバイアのワイナリーに隣接する比較的温暖な標高250mのガレストロ(キャンティで見られる石灰を含んだ粘土質土壌)の区画と、自宅のあるヴィニャーノの標高450mの石灰岩質土壌の区画に畑を持ち、それら2つの区画のものをブレンドすることで、それぞれの畑の特性を合わせ持ったワインを生産しています。
ラベルのカエルは、エクアドルで守り神と考えられているガマガエルで、元々貴族の土地であったキャンティらしく王冠を付けたデザインとなりました。Sarf(サーフ)はアラビア語で「交換」を意味しており、トスカーナの栽培農家から買い上げたブドウでシルヴィオが醸造を行うプロジェクトの名前。買い叩かれてしまうブドウを救いつつ、違う生産地域のブドウを自分が仕込んだらどのようなワインになるか、シルヴィオの好奇心を満たすために始められました。
<ワインラインナップ>
●Tin Trebbiano(ティン トレッビアーノ)
品種:トレッビアーノ
「ティン」と名付けられたキュヴェは、モンテセコンドで造っているワインの中で最もチャレンジングなワイン。「ティン」(※アラビア語で粘土)は、粘土のアンフォラで醗酵および熟成される。除梗したブドウを、250~350リットルのアンフォラ(内側を蜜蝋でコーティングしておらず、土中にも入っていないため、非常に好気的な環境)に入れられて6か月間皮ごと醸し醗酵を行い、その後、濾過、清澄作業を行わずボトリングされる。
●Montesecondo(モンテセコンド)
品種:サンジョヴェーゼ
比較的若い樹齢のサンジョヴェーゼ100%、ステンレスタンクで醗酵&熟成。
●Chianti Classico(キャンティ クラッシコ)
品種:サンジョヴェーゼ主体、カナイオーロ、コロリーノ
サンジョヴェーゼ主体、カナイオーロとコロリーノを補助品種として使用。比較的樹齢の古い木のブドウが主に使われる。全体の3割ほどを、除梗せずに全房のままセメント製の醗酵槽へ。圧搾後、木樽で熟成。
●Il Rospo(イル ロスポ)
品種:カベルネ ソーヴィニョン
平均樹齢15年のカベルネ ソーヴィニョン100%。除梗後、一部のブドウは即圧搾し、モストだけの状態にして、残りのブドウの入っているコンクリート製の醗酵槽へ。マセレーションも4~6日と短期間にとどめ、過度な抽出を避ける。圧搾後に再びコンクリートタンクへと移され、そこで更に1年熟成させる。
●Tin Sangiovese(ティン サンジョヴェーゼ)
品種:サンジョヴェーゼ
平均樹齢20年のサンジョヴェーゼを使用。アンフォラで6~8か月の皮ごとの醗酵&熟成を施したワイン。圧搾後すぐにボトリングされるが、1年以上ボトルで寝かせてからリリースされる。
~Sarfシリーズ(買いブドウ)~
●Ghazii(ガズィ)|Sarf
品種:サンジョヴェーゼ
ダイレクトプレスしたサンジョヴェーゼで造るロゼ フリッザンテ。モンテセコンドの赤に使用できるほどの熟度に達しないと判断した自社ブドウを使用し、アルコール醗酵が完全に終わる前にボトリング。モストの糖分と野生酵母で瓶内2次醗酵を促し、澱引きせずにリリースされる。
●Bianco(ビアンコ)|Sarf
品種:トレッビアーノ
ワイナリーからほど近い場所で有機農法を実践する農家から分けてもらったトレッビアーノを使用。房ごとプレスし約10日間のマセレーションの後に圧搾、セメントタンクで熟成、ボトリング時に極少量の酸化防止剤を使用。
●Garnaccia(ガルナッチャ)|Sarf
品種:ヴェルナッチャ
モンテセコンドから45kmほど南にあるサン ジミニャーノは、中世に建てられた13本の塔が現存し世界遺産に認定されている街。ヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノは1276年の古文書の中でその名前を確認できるブドウ品種だが、その起源には様々な説が存在し今のところ分かっていないことが多い。スペインのガルナッチャ(グルナッシュ)という黒ブドウの名前がヴェルナッチャから取られた可能性があることからガルナッチャと名付けられたのがこのワイン。
サン ジミニャーノでブドウを栽培するフェデリーコから買い付けたヴェルナッチャをワイナリーまで運び、一部のブドウは足で潰し、残りのブドウは房のままタンクへと入れられ、10日間のマセレーションとアルコール醗酵を行う。圧搾後、セメントタンクで醗酵の続きと熟成を行う。
●Rose(ロゼ)|Sarf
品種:サンジョヴェーゼ
モンテセコンドから南に25km、バルベリーノ ヴァル エルザで小さなワイナリーを営むロビンから譲り受けたサンジョヴェーゼで造られるロゼ。ロビンは、標高350mのブドウ畑でバイオミクス農法による栽培を行っており、自身でもワインを仕込んでいるものの量が極少量であるため、余剰のブドウをモンテセコンドに分けてくれています。
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