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2022-12-09

ヴィナイオータかわら版~豊田編 その壱(新人)~

メルマガをご覧の皆さまはじめまして 。

今年の7月よりヴィナイオータに入社しました、豊田直生と申します。普段は倉庫業務を担当しており、想像していた倍以上の速さと多さで入庫されるワインと、それがすぐに無くなっていく様子に毎回驚きつつも日々奮闘しています。初のかわら版ということで、本題の「飲んでもらいたいワイン」のご紹介に入る前に、ご挨拶も兼ねて簡単な自己紹介をさせていただきます。

大阪の堺市出身で、実家が古くから続く糀屋(約300年以上だったはず・・・)を営んでいる家庭で育っており、そんな家庭環境からか子どもながらに食や食にまつわるものに対して関心が高かったように思います。他の兄弟がいたこともあり家業を継ぐわけでもなく、前職ではホテルにて働いていました。

ホテルの仕事をしているとある時、1本のワイン(弊社のワインではないですが・・・)を飲んだことをきっかけに、ワインの世界にどっぷりとはまっていくことになりました。そこからはなるべくワインに携わる機会を増やす為に異動希望を出したり、飲むお酒もワイン一色になったりと、毎日ワインが傍らにある生活になりました。

そうした中で、もっとワインを知りたい、どうせなら自身がワインを好きになったきっかけとなった様なワインを扱いたいという思いが強くなり、何処かいい所はないかと探していたところ、以前から好きだったワインを多く取り扱っていたヴィナイオータの人材募集を目にして、社長太田の考えや言葉に惹かれてすぐに応募!という事でつくばにやってきた次第です。

まだまだ、経験、知識ともに不足しており至らない点もあると思いますが、皆さまによりヴィナイオータのワインを楽しんでいただく為、これからも精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、本題の今回かわら版でご紹介したいワインですが、イル チェンソニューロ2014です。

ガルガノ一家は代々、シチリア州のパレルモとアグリジェントの間にある町パラッツォ アドリアーノ(映画ニューシネマパラダイスの舞台)に所有する土地で、小麦の栽培と家畜の放牧をしていました。パラッツォ アドリアーノは500年以上に渡るブドウ栽培の歴史がありますが、シチリアの他の土地に比べると作業効率の悪い土地だったため、ワイン生産地としては日の目を見なかった場所でした。当主であるガエターノ ガルガノの叔母は土地の一部を使ってワインを造っていたそうで、そのワインがとても質が高かったことなどもあり、いつしか自分でブドウ栽培をしたいとエガターノは考えていました。

ローマ在住でプログラマーをやっていたガエターノは2010年に5haの畑にカタラット、ペッリコーネ(ピニャテッロの別の呼び名)、ネーロ ダーヴォラを植え、ワイナリーとしての活動を開始します。畑は標高700m、ブドウ以外にも様々な作物が植えられ、常に風が吹いているので病害が発生しづらく、彼らの理想とする有機的な農法に適した環境といえます。

ワインを入社当初に見た時は、パオロ ベアにそっくりのエチケットだなという印象でした。それもそのはず、イル チェンソのガエターノは、パオロ ベアのジャンピエロと30年来の友人という事で、ブドウを植える場所の選定からラベルまで一貫してベア プロデュースとのことで、エチケットがそっくりなのも納得です。

恥ずかしながらヴィナイオータに入るまでイル チェンソの事を知らず、飲んだこともありませんでした。かわら版が回ってくるということで何を紹介しようかと迷いながら倉庫を徘徊しながら何種類かワインを選んでいる時に、そういえばイル チェンソのワイン飲んだことないなーと思い選んだ1本で、特に印象に残ったワインが今回飲んでいただきたいワインのニューロ2014です。

ニューロとはシチリアの方言で「黒」を意味しており、樽を使わずにペッリコーネを醸造&熟成させた赤ワインです。2014年はイタリア全土で苦労した年の中、シチリア島は例外的にすばらしい天候に恵まれた年でした。

濃縮されたような果実味と濃さもありつつ、絶妙な揮発酸と熟成感によってバランスの取れた味わいで、飲みごたえと飲み心地、両方を兼ね備えたワインでどんどん飲み進んでいきます。飲み干してしまいたい気持ちを抑えつつゆっくりと数日かけて楽しむと、少しずつ変化が出てきて、徐々に華やかな香りや味わいが開いてきて、最後の最後までおいしく楽しむことができました。

あえて少し冷やし目で酸を楽しんだり、時間をかけてゆっくり果実感を楽しんだり、その時の状況や気分、料理に合わせて様々な楽しみ方ができるワインだなと感じました。イル チェンソは2012年が初リリースとのことなので、3ヴィンテージ目でこのクオリティー・・・個人的には、今後がとても楽しみな造り手の一人です。

少し早いですが、そろそろ忘年会などワインが入用になることが多くなってくるシーズンかと思います。そんな時にぜひこのワインを手にとってお試しいただければと思います。それから、最近イル チェンソの造り手紹介ページを公開したので、是非チェックしてみてください。

<イル チェンソ 造り手紹介ページ>

造り手紹介 Il Censo / イル チェンソ

 

≪豊田の飲んでもらいたいワイン紹介≫
銘柄:Njuro 2014 / ニューロ2014
造り手:Il Censo / イル チェンソ
地域:伊シチリア州
ブドウ:ペッリコーネ
希望小売価格(税抜) :3,900円

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