【新入荷】2019年6月 その2(La Biancara、Fonterenza、De Bartoli)
18日間で大量の撮影機材と共に10ヵ所ものホテルを渡り歩いたカンティーナ ジャルディーノのカンパイ!ツアーがようやく終わりました。お世話になった関係各位の方々とイベントにご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました。旅程も長い上に映画撮影という未知の領域もあり、カンジャルの2人も旅の後半は本当に疲労困憊していたのですが、沢山の気づき、エネルギー、そして新たな覚悟を頂いたと言っていました。
職種こそ違えど、自然を敬い、伝統や文化を守り、それらをより健全な形で後世に残そうという想いで仕事をしている人たちの間では、共感性が生まれやすいという事をカンジャルの2人も、訪問先の方々も、そして僕自身も強く感じる旅となりました。ロレンツォ監督の手腕でどういった映像に仕上がるのか、楽しみな気持ちがありつつも、自分が話している場面はあまり見たくないオータなのでした…。
いきなり私事になりますが、先日父が亡くなりました。非常に高齢でしたし、眠るように亡くなったようなので、天寿を全うし大往生したと言って良いのかと。そりゃもう恐ろしいほどに頭の良い人で、今現在も弊社で在庫管理&伝票作成に使用しているシステムは、21年前に彼がアクセス(マイクロソフトのデータベース作成ソフト)を使って、人差し指一本(なにせ70歳超の手習いだったので…)で構築したものをヴァージョンアップさせたものだったりします。
ヴィナイオータ創業から5年くらいの間は、僕、父、母の3人で仕事をしていましたので、僕が営業という名の食べ飲み歩きをしに外に出ている時は、父が伝票を作成し、母がピッキングをし、経理も元々会社を経営していた父が10年前まで担当していました。父の年金で生活をしながら、僕たちの給料を会社に丸々投資することで在庫を増やしていき、ヴィナイオータの礎は形成されていきました。当時の時代背景からしたら、弊社のラインナップは十分に過激だったのでしょうし、根拠のない自信と生来の怠惰さも相まって積極的な営業活動を行わないという状態でも存続でき、徐々にではありますが地歩を固められたのは、ひとえに父と母の支援とワインの個性に支えられたおかげだったと本気で思っています。
まあまあアクの強い親子ですし、ヴィナイオータが純粋な家族経営から会社組織に移行していく中では理解し合えないことも多々あったりしましたが、父が徹底していた「失点(出費)が少なければ、少ないゴール(収入)でも負ける(収支でマイナスになる)可能性を減らせる。」という超合理主義にして地に足がついた経営戦略は確実に僕の中にもちゃんと受け継がれている気がしています。傍からはそう見えないかもしれませんが(笑)。
カンジャルとのツアー中に亡くなったのですが、どこから聞きつけたのかイタリアからのお悔やみのメールやら電話が殺到…。その中でも特に印象的だったのがベアからのメールで、以下のような僕もすっかり忘れていたエピソードが書かれていました。
「(前略)来日した際、ヒサトの父上にお会いするという願いは叶わなかったけれども、20年前にヒサトが初めてうちを訪ねに来た時のことが私の中で忘れられない記憶として残っている。数年間イタリアに住み、ワインの輸入を手掛けることにした君が我々のワインを取り扱いたいと表明、その場でオーダーをし、セラーを去る前にA4紙に父上に送金の手筈を整える依頼をする内容をしたため、私にその紙をFaxするように言い、そしてなんと次の日には銀行に送金依頼をしたというFaxが父上から届いたことを。決して小さな金額ではなかったにもかかわらず…。もしかしたら日本文化の中では至極当たり前の姿勢なのかもしれないし、イタリアでも全くないわけではないけれども、父親からの圧倒的な信頼を勝ちとっている稀有な人物であるヒサトという人と自分は知り合ったのだと確信するに至った。」
イタリアからたくさんお悔やみの連絡があったことを母に伝えると、「久人は愛されているんだねぇ。」と言われ、最後の数か月を過ごした施設の職員の方たちに父が僕の自慢ばかりしていた-直接僕にいう事はといえば、心配しているだとか小言ばかりだったのに-という話も聞かされるにつけ、父も含め様々な人たちからの愛情や信頼に足るオータであり続けるためにも、もっと頑張らなければと決意を新たにしました。
それでは6月の新入荷案内です!
次のコンテナー通関の日取りが読めないため、1週分のみのご案内となります。
ラ ビアンカーラというワイナリーの実質上の跡継ぎである次男アレッサンドロが先日結婚式を挙げたようです。なにせ彼が小学生の時から知っていますので、オータ叔父さんも感慨ひとしおです。そんなラ ビアンカーラからは、マシエリ ビアンコ2018と通常キュヴェよりも半年ほど長く樽熟成を施したサッサイア2017のスペシャルエディションが届きました!
去年もたくさん買ったような気がするのですが、今年アンジョリーノから課されたマシエリ2018のノルマ(?)は、2017の約2倍にあたる25000-30000本との事…。恐るべしアンジョリーノ…。ミッションクリアのためには皆さんのご協力が必須です!今回は取り急ぎ2400本の入荷です。
そしてサッサイアスペシャルエディションは3600本が入荷、前ヴィンテージ同様日本でしか飲めないワインです!アンジョリーノは、2016年のスペシャルエディションを「ボトリングの仕方を間違え、その結果酸化的なニュアンスを少々持つこととなった。樽やタンクで飲んだ時のようなフレッシュな味わいをボトルの中で完全再現することに失敗した。」と思っているようです。そんな気にするほどの酸化があったようには僕には思えませんが…。
そんなこんなでボトリングの仕方を2017から変えまして、酸素の侵入を防ぐために樽上部から窒素を注入しながら(樽から)直接ボトリングすることに。今のところの結果にはアンジョリーノも凄く満足しているそうです!どちらも瞬殺必至です。
マルゲリータ&フランチェスカ双子姉妹のフォンテレンツァとの取引も早10年…と岸本が書いていたのを見てオータもビックリです。年を追うごとに、彼女たちの想いとワインの間に齟齬みたいなものがなくなってきているように感じます。もっと飲んでもらいたいいいいいーーーっ。
そんな彼女たちの8月に間引きしたサンジョヴェーゼで造るロゼ、ローザ2018が入荷です。キリッと冷やして飲んでもステキかと!
デ バルトリが世に放つ唯一無二過ぎるスパークリング、キュヴェVSと最も熟成期間の短いマルサーラであるヴィーニャ ラ ミッチャの新ロットをリリースします。ヴィーニャ ラ ミッチャに関しては、蔵出し価格の高騰により若干の値上げを余儀なくされましたことをご了承ください!!!
文:太田久人
195 215 224 226 nuovo19.06.12
(ブログ掲載時には完売しているワインもございます。予めご了承ください。)
動画配信キャンペーン(ARPEPE, Vodopivec, De Bartoli) 【新入荷】2023年10月その4(De Bartoli,Trinchero)・Two Metre Tallのサイダーのお話 【新入荷】2023年10月その2(Ezio Cerruti,Il Cancelliere,Arpepe,Bressan,Le Boncie,De Fermo,Arianna Occhipinti,De Bartoli,Two Metre Tall) 【新入荷】2023年9月その4(Il Colle,Cantina Giardino,Cristiano Guttarolo,Francesco Brezza,De Bartoli) ヴィナイオータかわら版~中嶋編 その壱(新人)~